エッセー [アナウンサー]
中澤有美子さん
秋って、最高です。
毎年、秋がくるたびに、自分は秋が一番すきなんだと再認識します。空気も青空も薄い雲も木々もみんないい感じ。とくに日本の秋がいいんですね。くすみがかった、わびさびのよさが身にしみるような気がして、わたし日本人でよかった、とつくづく思うのです。大学時代に 茶道アンド華道部の、幽霊部員だったことをふと思い出すのも、秋です。
膳場貴子さん
ジャズ・バイオリニストの寺井尚子さんのライブで、感動体験。寺井さんはとても艶っぽくて、女の私でもしびれる格好いい色気の持ち主。ワイシャツの第一ボタンまできっちり閉めている方でも思わずリズムを刻んでしまうような、体温がいつもよりちょっと上がって気持ちが開放されるような演奏をなさいます。もし自力でこの開放感を手にしようと思ったら、ラテンの国にでかけて劇的な恋にでも落ちない限り(・・・私じゃ無理だ)なかなかむつかしいかも。トラベリング・ウィズアウト・ムーヴィング、日常の世界から一瞬にしてぽーんと抜け出させてくれる素敵な力を放つ寺井さんに、脱帽でした。
馬場典子さん
「結婚はゴールじゃない。」とよく言われます。
結婚経験のない私で、どれだけ説得力があるのか分かりませんが、
このたとえを使うことが間々あります。
たとえば、アナウンサー志望の学生に会ったとき。
当然、いま学生たちにとっては、アナウンサーになることが大きな目標であり、ゴールだと思います。
しかし、社会人として考えると、それはスタートでしかないのです。そのことを必ず伝えています。
アナウンサーになった後、どう成長できるか、何ができるか、どんな可能性を秘めているか、が大切なのです。
島ひとみさん
街路樹の緑が濃くなり、気持ちのいい季節になりました。
晴れた日、私はスニーカーをはいて家の近所やいろいろな街を訪れて、ぶらぶらお散歩しています。
この春から東京暮らしを始めた私には、どの景色も新鮮で興味を惹かれるものばかり。おしゃれな店構えのお菓子屋さんやレストランをチェックしたり、昔ながらの商店が並んでいそうな細い路地に入り込んだり。
何気ない景色も全部頭に焼き付けたいなと思いながら、まるで鼻をくんくんさせていろんなものを確かめている犬のように散歩を楽しんでいます。
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