フィナーレ 「間もなく朝を告げて」 2-21

やがて太陽が昇り　朝の訪れを告げる
迷信は消えて　賢者が勝利する
優しい憩いよ　人々の心に戻れ
その時　地上は天国となり　死すべき人間は神に近づく

パミーナの様子が変だよ

どこにいるの

ほら

ひどく失恋したんだよ　
ぼくらで慰めようよ
何とかなるさ　あの若者が　いてくれればね

来たぞ　隠れよう
パミーナを見守ろう

私の花婿は　この短剣
いっそ　この苦しみを　終わらせて

なんてこと言うんだ
悲しすぎて　どうかしちゃった

恋人よ　私はあなたのもの　
もうすぐよ　
あなたと結ばれるわ

頭がいっぱいなんだ　
よからぬことを考えているよ

ねえ　お姉さん　こっちだよ

止めないで
好きだった人が　愛する心を捨てたのよ　
母の刃で　ひと思いに　

神様に怒られちゃうよ

これ以上　苦しむより　冷たい刃の方が　まし　

お母様
私は十分　苦しんだわ　これは　あなたの呪いね

早まっちゃだめだよ

悲しみが　あふれそう　
冷たい男よ　さようなら
これも　あなたのためよ　
冷たい刃が死の道連れ

ちょっと待って
恋人が見たら　
ものすごく悲しむよ
あなたを愛しているからさ

でも愛を返してくれないわ　
こっちを見ないし　
口をきこうとも　しない

今は話せないけれど　
特別に会わせてあげる　
きっと驚くよ　彼の本心を知ったら
命をかけて　あなたを愛しているんだ

一緒に行こう

連れてって

こっちだよ

あの人に会いたくて　会いたくて

恋に燃える二人のハートは　
だれにも引き離せない
恋を邪魔する者はいない　
神のお守りがあるから
恋のお守りがあるから

神様　お守りください

モーツァルト:歌劇 《魔笛》
第２１曲　フィナーレ
「間もなく朝を告げて」（３人の少年、パミーナ）