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小泉八雲と歩く [Book]

粟ヶ岳 (無間山)
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 鏡と鐘
八百年のむかし、遠江の国の無間山の僧たちが、寺に大鐘をそなえたいと思って、鐘の地金にする唐金の古い鏡を寄進してくれるよう、檀家の婦人たちに力添えを乞うた。
 そのころ、無間山に、ある百姓の妻の、若い女が住んでいて、鐘の地金に使うよう、寺に鏡を寄進したが、あとになって、その鏡がたいへん惜しくなってきた。彼女は、母親がその鏡のことを、いろいろ話してくれたのを思い出したのである。
                                                            ―「怪談」―

怪談・奇談 (角川文庫クラシックス)

怪談・奇談 (角川文庫クラシックス)

  • 作者: ラフカディオ・ハーン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1956/11
  • メディア: 文庫

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無間山観音寺跡
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無間の鐘 (伝説)
聖武天皇の天平の頃のこと。
小夜の中山の東、菊川村に一人の仙人が住んでいました。
あるとき、不動明王を信仰して毎日お祈りをしていたこの仙人は、村の人々からお布施をあつめて、粟ヶ岳の頂上に大きな釣鐘をつるしました。
この粟ヶ岳の釣鐘の音は、広く遠州に響きわたり、評判になりました。誰が言いだしたのか、

 一つつけば、事故や災難をまぬがれ、
 二つつけば、病気にならず、
 三つつけば、家内安全、
 四つつけば、運が開けて出世する、
 五つつけば、子宝に恵まれ、
 六つつけば、幸運がつづき、
 七つつけば、大金持ちになる、

このうわさを聞いた村人たちは、われさきにとこの寺へおしよせました。
ところが、この山の道は険しく、みなが争って先を急ぐために、途中で谷底へ落ちてケガをしたり、死ぬ人まで、たくさん出てきました。
この姿を見た寺の住職は、人々の欲の深さにあきれ、「この鐘をつくった仙人の願からはずれる―」と、鐘を井戸の底深く投げ込んでしまいます。
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 地獄穴
欲望のままに無間の鐘をついた者たちが地獄に落ちたといわれる伝説の穴。
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磐座
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阿波々神社
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レストハウス無間の鐘
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