フィナーレ 「パパゲーナ！ パパゲーナ！ パパゲーナ！ 可愛い女よ！ 小鳩よ！」 2-21

パパゲーナ　どこだ

おれの　かわいい彼女
どこへ消えちまったんだ
つくづくツイてない
おしゃべりは
マズかった
その報いだ　おれが悪かった

あの　うまい酒を飲んでから
あの　いい女を見てから
おれのハートに火がついて　ドキドキ　ムラムラ

パパゲーナ　どこだ
パパゲーナ　おれの　かわいい彼女
逃しちまった　おれは人生に疲れたよ
おしまいだ　恋の炎は消えぬまま

いっそ　この木の枝で
首をくくってやろう
生きるのがイヤになった　あばよ　つらい世の中
ひどいじゃないか　美人の一人も　くれないで
世のかわいい女たちよ　おれを哀れんでくれ

同情してくれよ　早くしないと手遅れだ
今のうちだ
いいのか　止めるなら今だぜ
おかしいな　やけに静かだ
分ったよ　ならいいよ
おれは行くよ　これで　おしまい
先立つ不幸を許しておくれ
さあ　行くぞ
いや　待てよ
そうだ　今から３つ数えるからな

1!

2!

3!

そうか　これで分ったよ
もういいよ　だれにも頼まない
だれも　おれを止めてくれない
あばよ　薄情な世の中
あばよ　せちがらい世の中

パパゲーノ　よく考えて
一度きりの人生だよ
しっかりしてよ

お説教とは　うれしいね
君らも大人になれば
おれの気持ちが分るだろう

銀の鈴を
鳴らそうよ

すっかり忘れてた
魔法の鈴だよ
魔法の鈴を　鳴らそう
あの娘に　会わせてよ

チリリン♪ チリリン♪ チリリン♪

かわいい鈴の音よ
おれの彼女を　呼んでくれ

チリリン♪ チリリン♪ チリリン♪

おれの女

チリリン♪ チリリン♪ チリリン♪

彼女を呼んで
いい子だから　頼んだよ

チリリン♪ チリリン♪ チリリン♪

ほら　お待ちかね

パパパパパパパゲーナ!

パパパパパパパゲーノ!

もしかして　あんたが
神様が決めたひと
たった一人のひと
なんと　うれしい
神様　祝福してくださいよ
子宝に恵まれますように

かわいい子供たちに　恵まれますように
小さなパパゲーノ

小さなパパゲーナ

も一人　パパゲーノ

も一人　パパゲーナ

そうなったら　うれしい
たくさん　たくさん
かわいい子供たちに囲まれて
にぎやかで　とっても幸せ

モーツァルト:歌劇 《魔笛》
第２１曲　フィナーレ
「パパゲーナ！ パパゲーナ！ パパゲーナ！ 可愛い女よ！ 小鳩よ！」（パパゲーノ、３人の少年、パパゲーナ）